ピアノ『ねぇ飼い主、はやくしてよ。わたしは そのボールで あそびたいのよ。』

飼い主『わかってきたじゃないか。ボールがなくても座ってくれるといいんだけどな。』

ピアノ『なにかいった？ はやくしてよ。』

飼い主『あ、はい…。』

フォルテ『飼い主、これ じゃまなんだけど。はやく どけてくれない？』

飼い主『あ、ごめんごめん。今すぐ片づけるからね！ 』

フォルテ『ピアノが ケーブル かじってもいいの？』

飼い主『ダメです。ごめんなさい…。』

ピアノ『飼い主、はやくきてよ。わたし、そっちに いけないのよ。』

飼い主『はいはい、わかりましたよ。もう終わったからフォルテと一緒に遊ぼうねー。』

ピアノ『やだ。わたしと あそんでよ。』

飼い主『お前ってやつは…。』

フォルテ『あれ？ ピアノ どこいった！？ あいつ なかなか まけを みとめないんだよな。』

飼い主『(おい、後ろのピアノに気づいてないのか？)』

ピアノ『フォルテ！』

フォルテ『いつのまに！？』

ピアノ『あぁ おいしかった！ フォルテはいつも こんなおいしいもの たべてたのか。』

飼い主『え？ そんなに違うの？』

ピアノ『飼い主もたべてみる？ あ、もうなくなっちゃった。』

飼い主『…。』

ピアノ『このさき なにがあるの？』

フォルテ『そうか おまえは どうなってるか しらないんだな。』

ピアノ『どうなってるの！？』

フォルテ『ふふふっ。おしえなーい。』

フォルテ『おい 飼い主、だいじょうぶか？ じふんは じふんでしか まもれないんだぞ。』

飼い主『そんなこと言われなくてもわかっとるわ。』

フォルテ『そういうひとほど あぶないって きくけど…。』

飼い主『どきっ…。』

ピアノ『ふぅ ちょっと おちついた。さて いくか。』

飼い主『(え、背中から行くの？)』

ピアノ『フォルテ！』

フォルテ『えっ？ うわぁー！』

フォルテ『ほんとに こりないな。いいかげん やめたらどうなの？』

飼い主『ピアノも本当は仲よくしたいと思ってると思うよ。』

フォルテ『おちつくまで あきらめるしか ないか。』

飼い主『そうだね。お前も大人になったな。』

ピアノ『まま、はやくこないかなぁ。飼い主とあそぶの あきたんだけどなぁ。』

フォルテ『だめだよ、きょうは にちようび だもん。』

ピアノ『にちようびってなに？』

フォルテ『ぼくたちは まいにち にちようび だもんな！』