ピアノ『ごくごく…ごくごく……。』

ピアノ『ごくごく……ごくごく…ごくごくごくごく……。』

飼い主『ん？ まだ飲むのか！？』

ピアノ『ごくごく…ごくごく…ごくごくごくごく…ごくごくごくごくごくごくごくごく…。』

フォルテ『あいつ けさは そばにきて くれないんだよね…。』

飼い主『側にいると枕にされるだけなのにな…。』

フォルテ『あいつ のっかると あったかいんだぞ。』

飼い主『それはよくわかる（笑）』

ピアノ『もう なに つったってるのよ。』

飼い主『そのうち明るくなるから待っててねー。ほら、膝の上で待ってな。』

ピアノ『うん！』

フォルテ『ずるいぞ ピアノ…。』

ピアノ『ねぇ きょう なにする？』

フォルテ『うーん おひるね しよ。』

ピアノ『えー またっ！？』

フォルテ『おなか いっぱい なんだもん…。』

飼い主『あれ？ 今日は立ってるじゃん。どうしたの？』

フォルテ『たって かぜに あたりたいときだって あるもん。』

飼い主『今さらカッコつけてもムダなのにな…。』

フォルテ『ちがうもん！ ほんとに たって あたりたいんだもん！』

ピアノ『（ピクッ！）もう いきなり とらないでよ…。』

飼い主『あ、ごめんごめん。気持ちよさそうに寝てたもんだからつい…。』

ピアノ『そういうの とうさつ っていうのよ。』

飼い主『どこでそんな言葉覚えた？』

フォルテ『ねぇ はやく て だしてよ。』

飼い主『また手を舐めたいだけだろ？』

フォルテ『わかってるなら はなしが はやい。はよ。』

飼い主『おまえなぁ…。』

ピアノ『いいねどこ でしょ？ これ あったかいんだよねー。』

飼い主『それ、ママのベンチウォーマーだぞ。怒られるぞ…。』

ピアノ『ここにあるから わたしのだもん！』

飼い主『…。』

飼い主『フォルテ？』

フォルテ『なに？ ようがないなら もうねるからね。』

飼い主『おい、こっちは温風来なくて寒いんだけど…。』

フォルテ『そんなの しらんもん。』

ピアノ『なに？ じゃま しないでよ。』

飼い主『まだこっち見てくれるだけいいか…。』

ピアノ『だれか わからないけど みてもらえないの？』

飼い主『皆まで言うな…。』